これも何度か語ったことがあるが、僕はアニメ業界人の中でも恵まれている方だと思う。

 

ヒット作を出したし、

いろんなメディアの取材が殺到したし、

大勢のお客さんがいる大きな舞台に何度も立てたし、

海外から呼ばれて何度も旅行できたし、

いい車にも乗れたし、

エグいくらい可愛い子ともイチャイチャできたし。

いやイチャイチャどころか列を成してもう握手会?状態にまでなったし。

 

しかし、それが何だってんだ?

つまんないのだ。

 

やっぱり僕の師匠は偉大だった。

「そんなことをするために、この業界に入ったのかい?」

僕の深層心理を見抜いていた。

 

まぁやせ我慢するのも何だから、もちろん余裕があればワーキャー言われたいし、いい車乗りたいし、モテまくりたい。

しかし、それが目的で僕はアニメを目指した訳ではない。

 

僕の本当の欲望は、そこではないのだ。

最近、自分の身の回りが随分スリムになって、ああ、これでいいんだなぁ、と思う。

 

僕の欲望、いや目的とは、アニメを通して真実を見出すこと。

人間の業と、性と、愛を抉り出すこと。

これ以外にはない。

 

本当ごめん、マジで言うけど、世俗の欲望は、実につまんないのだ。

僕はそういうのが嫌で、「真実の器」を探し求め、そしてアニメと出会った。

 

これはもう死ぬまで変わらないだろう。

これを「アニメに愛された」、ということなのだろうと言いたいのだが、まだそこまでではない。

残りの人生、寄り道なくまっすぐ生きるしかない。

 

 

あ、「いい家に住んだ」はまだできてないな。