アクマコンが終わり、帰国した。

ゴールウェイの旅はやはり我を忘れるくらい素晴らしいものだった。

唯一距離が遠いのが難点だが……。

 

『フラクタル』にハマってゴールウェイまで来て売り子してます!という母娘に出会った。

まだ10歳くらいの子供が「『らき☆すた』観た!」と言ってくれる。

作品は嘘を吐かない。着実に浸透しているようだ。

 

さて、アクマコンのクロージングにも立ち会ったが、最後にスクリーンに奇妙なテロップが出た。

「Don't Forget,

ANIME WAS A MISTAKE.」

 

さすがに僕もギョ!となって、ずっと通訳でアテンドしてくれてた女の子に、

「これって、そのまんまの意味なの??」

と訊くと、パパパッと検索してくれて、

「英語圏のネットミーム(ネットスラング)みたいです。宮﨑駿さんが言った言葉みたいですよ」

 

実はこれ、宮﨑さんのメイキング映像に付けられたフェイクの字幕が発祥だそうだ。

しかしいかにも御大が言いそうな言葉だったので、英語圏では皮肉と戒めを込めて一気に広まったのだという。

 

「俺たちは間違いなんだ!でも、それでもアニメを愛するしかないんだ!」

 

最果てのアイルランドのオタクの方が余程理性的だ。

そしてそれは、かつて日本のオタクが確かに持っていたものだ。

 

アニメの異形さを知りつつ、それを受け入れ、自らの理性で統御し、そして真心を込めて愛する。

オタクの本懐とも言える。

 

今の日本のオタクではもう不可能だろう。

何せアニメスタジオまで燃やすんだからな!

日本のオタクどもが世界のオタク界の「恥」になる日がもう来たようだ。

 

 

世界中のオタク達が、日本のアニメの背中を見てこれから何を思うのか。

気を引き締めて帰路に就いた。