昨日ネットで、

 昭和の懐かしいドラマを観たのだが

 その中で、

 

 <主人公の女性が

  昨夜ケンカしてしまった彼からの

  電話を待ち続けて

  その電話機が黒電話で

  いつ電話が鳴るかわからないので

  その場から離れられず、

  黒電話をじっと見つめている>

 そんなシーンがあった。

 

 ボクが学生だった頃、

 我が家も茶の間に黒電話が一台しかなく

 初めてできた彼女との会話なんか

 そこにいる家族全員に聞かれてしまうから

 彼女との会話に集中できなくて

 なんかしどろもどろになったりして

 上手く気持ちを伝えられず

 すると彼女もなんか不信感を持って

 それで電話が切れてしまって

 その後とても心配になって、十円玉持って

 駅前の公衆電話に走って行って

 彼女の家の電話にかけ直すと

 お父さんが出て

 「キミは誰だ、娘とどういう関係だ」

 なんて怖い声で追求されて

 公衆電話にペコペコ頭下げて謝って

 結局彼女とは話せず、電話を切られた

 そんなことがあった。

 

 だから昔は、デートの約束するのも

 本当に大変だったのだ。

 

 それで、デートの約束ができたとしても

 今度は彼女が時間通りに来ないと

 時間や曜日や待ち合わせ場所が

 本当に正しいのか不安になって

 でも確認のしようがなくて、

 1時間も待ってまだ来ないと

 仕方なく駅の伝言板に

 「駅前の喫茶店〇〇で

  5時まで待ってます。TさんへHより」

 なんて書いてその場を去って

 さらに待ち続けた、そんなこともあった。

 

 その後、電話機に子機なるものが登場

 離れたところで電話できるようになり

 それからはポケベル、ピッチ、携帯、

 そしてスマホと連絡手段はどんどん進化して。

 

 そこで考える。家電話しかない状況で

 不倫関係にある彼と連絡するって

 さぞかし大変だろうなあ、なんて。

 

 もしスマホ禁止令なんて法律ができて

 家電話しかない状況になったら

 現在W不倫関係にあるカップルの

 90%はその関係を維持できないと思うなあ。

 そしてその分、家庭内ストレスを

 吐き出すこともできなくなるから、

 夫婦仲も悪くなり、離婚もさらに増えて、

 世の中単身者だらけになってしまう。

 

 イケナイ関係であればあるほど

 連絡って大事だし、

 会えない時も気持ちを確認し合うって

 迷いの多い人にはとても必要な事で。

 

 今はせっかくこんなに便利な

 連絡ツールがあるんだから、

 好きな人にはマメに連絡しなきゃ、って、

 自分で自分に言い聞かせるボクだった(笑)。