飲み屋さんで、常連客の酔った奥様が

 隣りに座る友人女性に

 「なんかさ、胸がまた大きくなって

  Gになっちゃった」と言った。

 すると口の悪い友人女性が

 「47歳にもなってさ

  胸が大きくなるわけないじゃん

  周りのたるんだ脂肪まで寄せて

  測ったんじゃない」と答えたら

 そばにいたマスターも

 「俺もそう思う」って笑って賛同した。

 

 そういえばその奥様、最近は胸の谷間が

 見えるような服を着て、

 夜飲み歩いてることが多い。

 若い男はやっぱり、酔うとそんな所を見て

 激しく奮い立つこともあるから

 まあ、男狩りの武器にはなるかもしれない、

 なんて思って見てた。

 

 ボクの場合は、もう年齢も年齢だからか

 そんな奥様の胸の谷間は

 酒場の中のただの風景の一つでしかなく

 見ることはあっても、それで気持ちや

 体が反応するなんてことはない。

 

 さらに、胸の谷間を餌のようにして

 夜の街を彷徨う飢えた男を誘う、

 そんな感じの女性は、実は苦手なのだ。

 

 ボクにとって大事なのは顔、表情

 話し方、話の聞き方。そして体の方は

 頑張って年齢と闘っている状況が分かれば

 胸の大きさなんて全然気にならない。

 

 そういえば胸とか、お尻とか、

 腰のくびれとか、足首の締まりとか

 女性の体における魅力的な点はいくつもある。

 

 ボクにとってその魅力ポイントには、

 それぞれ丁度いい共鳴する感じというのがある。

 そういう人と出会うと、ちょっと感動して

 お付き合いをお願いするというのが

 これまでのパターンだった。

 

 この丁度いい共鳴する感じを

 文章にして解説するのはとても難しいので、

 この話はここで終了。

 

 でも考えてみれば、

 男と女が本気で惹かれ合うのは

 胸の大きさや、あそこの大きさではない

 あそこの大きさや、

 胸の大きさで惹かれるのは

 好奇心や冒険心であって

 本気で求める愛じゃない。

 

 会って話して思わず胸躍り

 体の芯が疼くような人こそ

 自分の心と体の本能がマジに求める相手

 なのだから。

 

 だからね、相手のどこかのパーツに惹かれて

 お付き合いしても、

 それは珍味の類の楽しみでしかないから

 年に一二度食べれば十分で

 一生食べ続けられるのはやっぱり、

 米やパンのような

 毎日食べても飽きない相手なのだ(笑)。