古本屋さんで

 『オスとメスどちらが得か?』

 (稲垣栄洋著)

 そんなタイトルの本を見つけ

 心の中で「立ち読みだけでごめんなさい」

 と、謝りながら読ませていただいた。

 

 読み始めてすぐに、この本は、

 生物界で繰り広げられる

 オスとメスの駆け引きの凄さを描いた

 珍しい本だなって感心したボク。

 

 動物の世界は知らないことばかり

 特に子孫を確実に残すための戦略は、

 その種によって本当に多種多様だ。

 

 銀ブナはオスが1%しかいない。

 オスからメスに性転換するクマノミ。

 メスに貞操帯をつけるギフチョウ。

 オラウータンは一夫多妻。

 チンパンジーは乱婚。

 

 そして、ゾウアザラシは1頭のオスが

 100頭以上のメスを従えるハーレムを形成。

 だから若いオスはメスを求めて

 ボスに挑戦し、血だらけになって戦う。

 

 でも100頭のメスを守り続けるのは

 それはそれは大変らしく、

 常に心身ともに疲れ果てているボスは、

 他のオスより随分と寿命が短いらしい。

 世の中いいことばかりじゃないってこと

 こんな事実からも分かるのだ。

 

 さて話しを戻すと

 やっぱり読んでて気になったのが

 オラウータンの一夫多妻と

 チンパンジーの乱婚だ。

 

 みなさんご承知のように’

 オラウータンもチンパンジーも知能が高く、

 ボクらの先祖であることは間違いない事実で、

 つい先日も野生のオラウータンが

 薬草を使って傷を直してる、

 そんな観察レポートもあった。

 

 そういう目で周囲の人間の方々を

 失礼とは思いつつ観察分類すると、

 明らかにオラウータン型に分類される

 一夫多妻、一妻多夫という感じの

 性行動をされている方もいるし

 遊園地のアトラクションを次々に

 楽しむように異性とお付き合いする

 チンパンジー的乱婚型のという方もいる。

 

 でも最近の傾向を見ると

 ネット環境の充実などで

 出会いの機会も増えたからだろうか

 チンパンジー的乱婚型思考の方が

 多数派となり、主流になった気もする。

 

 そういう意味で自分自身を分類してみると

 ボクは典型的ニホン猿型人間だと思うわけで、

 もちろん猿山の中で群れのボスにはなれず

 群れの間をウロウロしながら暮らす

 ハグレ猿なんだけど。

 

 そしてハーレムのボスに不満を持って、

 ちょっと群れから出てきた

 ストレスを抱えるメスを

 見えない所で内緒で口説くのだ。

 

 こうやって書くとなんか

 セコくてズルい感じに思えるけど、

 この偶然の素敵な出会いを常に待っている

 自由でイケナイ感じが、好きなのだ(笑)。