雑誌にこんな記事があった。

 <大先輩にも全く配慮なしの

  タメ口で人気の〇〇さん

  後輩タレントからタメ口で話しかけられて

  意外にも「失礼ね!」と激怒した>って。

 

 競争激しいタレント業界では

 いろんな計算して、自分じゃない自分を作って

 特徴を出していかないと、生きていけないから

 苦労もストレスも多いんだろうなって、

 記事を読みながら思った。

 

 幸せを掴むために自分を偽って生きる

 そんな方はこの世の中に沢山いる。

 

 昔々、気分が乗ると誰とでもする尻軽T子と

 と言われていた女性が、

 ある日、ホテルのバーで飲んでいる時

 東南アジアのある国の、

 大金持ちの御曹司に見そめられた。

 

 それから半年、彼女に会うため

 御曹司くんは月に一度は日本に来て

 愛を確かめ合い、

 とうとうプロポーズをし、結婚が決まった。

 

 そこで尻軽T子の親友女性に聞いた

 「御曹司くんは、T子のどこがそんなに

  気に入ったの?」

 すると親友女性が笑いながら

 「御曹司くんが言ってたのは

  T子は昔ながらの日本人女性のように

  おしとやかで、恥じらいがあって

  とても謙虚で、そんな女性は我が国には

  全然いない、そこに惹かれたって」

 

 なるほど、セレブの奥様になるために

 T子も頑張ってるんだなあって感心し

 そして、これまでいろんな男性と

 様々な関係を持ってきたT子は、

 お金持ちのおぼっちゃま君が

 どんな女性が好きなのかをきちっと学習し

 今回の御曹司君に活かしたに違いないって

 思った。

 

 そう考えると、T子って本当は、

 学習能力の高い賢い女性だったって

 気づいたわけで。

 

 そしてその後、3年ほど経過した頃

 T子の親友女性がT子の家に招待されて

 遊びに行ってきたという話を聞いたら

 

 「メイドさんが何人もいる

  お城みたいな家だった。

  専属のコックさんもいるのよ。

  子供ももう2人いてさ、

  本当に羨ましいような暮らしだった。

  でもね<今でも旦那様には

  毎晩処女のように振舞ってて

  もうそれが当たり前になってさ>

  なんて話してたたけど、

  まあとにかく、幸せそうだったよ」

 なんて言って笑った。

 

 でもさ、T子のように

 旦那様に偽りの自分で接していても

 それを長年続けていると、

 全く違和感もなくなり、

 それがいつの間にか本物の自分になるって人

 いるからね。そして多分それが、

 この厳しいこの世を生き抜くための

 適者生存の法則なのかもしれない、

 なんて思った。