いつものバーでマスターと

 のんびり話しをしていたら、

 店のドアが開いて

 知り合いの男性が入って来た。

 

 彼はF君と言って、

 かなり以前からの知り合い、

 最近2度ほど飲み会に誘われたが

 断ったこともあり、

 あまり会いたくない男だった。

 

 当然のようにボクの隣に座ったF君は

 過去の栄光話、自慢話を語り

 そして酔いがまわって来た頃に

 「Hさんは今何をしてる時が楽しいですか?」

 なんて聞いて来たので、ボクは

 「好みというか、タイプの女性と二人で

  たわいもない面白話をしてる時が楽しい」

 と答えた。すると

 「女と会話したって、

  薄っぺらな対応しか返ってこないし、

  だから女と話したって

  考えさせられることもないし

  そこから何も生まれないでしょ

  Hさんはそんなことが楽しくて

  それでイイんですか?」

 なんて言った。

 

 飲み会の誘いを断ったのを

 根に持ってるのか、

 それともいつもの酒癖の悪さが出たのか

 いずれにしても、

 女性を馬鹿にする態度が許せず

 「そういうつまらない話はやめよう

  そんな話を続けるならボクは帰るから」

 と言ったが

 さらに絡んできたので、

 ボクは席を立って店を出た。

 

 女性をバカにしたりケナしたりする男って

 基本は子供っぽくて甘えん坊で

 だから本当はいつも女性が恋しくて、

 女性に近づきたくて、悩み苦しみ、

 日々悶々として生きてるんだよね。

 

 しかし、いくら寂しいからといって

 還暦にもなって、女性をバカにするのは

 何より女性を愛し、平和を愛する

 穏やかなボクでも、ちょっと許し難く、

 

 そこで空を見上げ

 「F君にきつ〜いお仕置きを!」

 と、お月様にお願いした。