若い頃、ボクが夢中で読んだ芥川龍之介が
自殺したのは1927年の7月24日早朝だった。
その自殺理由には様々な説があるが、
友人の内田百間(ひゃっけん)は
芥川の自殺原因について「あんまり暑いので、
腹を立てて死んだのだろうと私は考えた」
なんて書いていた。この年は梅雨明け以降
本当にうだるような暑さが続いたらしい。
そういえば先週末、飲み屋さんで
マスターの中学時代の同級生とその友人である
4人の奥様たちが、ガンガンと飲み
旦那の悪口を言い、秘密を語り、近くの客に絡み、
大いに盛り上がっていた。
しばらくして、そのうちの一人がボクの後ろに
立ち、突然
「Hさんの頭、ご利益がありそう」なんて言って
ボクのスキンヘッドを撫で始めた。すると
次々に奥様たちの手がボクの頭に伸びてきた。
そんなことでこの酷暑を一瞬でも忘れ、
生活のウサが晴らせるならと、奥様たちを
ボクは仏様のごとく、笑顔で迎え入れた。
しかし、じっと頭部に神経を集中していたら
6つの手のひらは明らかに遊んでいるが
誰か一人の手は、じっとりと意味深な動きを
してることに気付いた。
この暑さが
貞淑なる妻の守るべき理性をも忘れさせたのか?
なんて考えながら・・・、
でもさ、腹の立つような暑い夏だからこそ、
オバサンもオッサンも、常識も理性も忘れ
狂おしいような熱帯夜を
大いに楽しんじゃおうじゃ、あ~りませんか。
なんて思ったボクだった。