いつもの飲み屋で
いつものカウンターに座る。
隣は、43歳独身男性の仲良しT君。
そしてT君の隣には初顔の女性が居た。
座ってすぐに違和感を感じた。
隣に40歳前後に見える女性がいるのに
T君が、ボクの方を向き
ボクに話しかけてくるからだ。
T君はどんな場合でも女性優先、
常に優しく声をかけ、反応がよければ
ソフトにタッチする。
これまで何十回も会っているが、
そのパターンを外したことはなかった。
そんなT君が隣りの女性を無視して
ボクに話しかける。とても不思議だったが
その理由はすぐに判明した。
ボクとT君の話に、誘ってもいないのに
その女性が突然割り込んできたのだ。
そしてボクらの話を否定する。さらに
マスターと話すと、その話にかぶせるように
幼稚な自論を展開する。
それだけでもムカつくのに
「60歳以上の人間なんて死ねばいい。
私たちの税金でノウノウと暮らしてさ」
なんて暴言を吐く。
そんな女性でも、美人であったり
ふとした仕草や表情に可愛さがあれば
喜んで許すのだが・・・。
すると今度は6歳年下だという
旦那の悪口を話しはじめた
その中にこんなコメントが
「私のHカップの胸が好きなのよ」
ボクとT君はHカップの話より
「この女性に旦那がいる?」ことに驚き
視線でその驚きを確認し合った。
数分後、その女性がトイレに立った時
T君が小声で言った
「あの女性はすごい幸運ダネ。
日本に5000万人男がいるとして
彼女でも良いと思うのは
きっと一人か二人
そんな男に出会ったんだから」
そしてボクらは、
その夜の不運を嘆きながら
彼女がトイレから出てくる前に、
早々に店を出た。
