ラーメン屋で近くに座ってたカップルが
 今しがた観た、映画の話をしてた。
 
 ボクも映画は好きだが、
 映画デートはあまり好きじゃなかった。

 学生の頃、彼女と映画に行った時
 スクリーンをボーッと見つめながら
 
 映画館を出たら、飯を食って、その後
 ちょっと酒飲んで、そして・・・、
 なんてことばかり考えて。
 すると妄想がドンドン膨らんで
 観てるのが可愛い動物映画なのに、
 何故かオスメスがじゃれ合うだけで
 頭の中がピンクに染まったりして。

 まあ20代の頃は
 映画デートじゃなくても
 頭の中はソレばっかりだったけど。

 でも、頭の中はピンク一色なのに、
 そんなことは全然考えてない
 みたいなフリをして
 「三島由紀夫がさ」
 なんて話す自分が哀れだった。

 そして話したくもない
 三島由紀夫を2時間も語り、すると彼女が
 「明日早いから、じゃあね」なんて言って
 去って行く。
 
 そんな夜の帰り道、メモ用紙を丸めて
 駅のゴミ箱に捨てるのだ。
 そのメモには
 ラブホテルの料金と場所が書いてあった。
 
 ピンク色の青春って、辛いネ。