ある店で、70代中頃の先輩オジさんが、ボクの肩を叩きながら
「あんた一人もんなんだってな。そりゃダメだ。飯はどうしてる。
ちゃんと食ってんのか、掃除や洗濯はどうしてんだ。女つくれよ。
<男やもめにゃキノコが生える>ってな、昔から言うだろ・・・」
それを言うなら
<男やもめにウジがわき、女やもめに花が咲く>だったでしょ。
そうなのだ、奥さんが居なくなった男は、家も汚れ、生活も乱れ
命まで縮めるようになるが、旦那が居なくなった女性は、
自分の時間を有効に使い羽を伸ばし、外見や服装が綺麗になり、
周りの男性から注目され、どんどん華やかになっていき、
長生きするという話。
そんな説教話を、ひつこいほどボクに向かって熱く語っていた先輩オジさん、
そこに40歳くらいの女性が入ってきたその途端、くるりとボクに背中を向け、
その女性に
「お嬢さん、今日は僕がご馳走するからドンドン飲みなさい。
マスター、このお嬢さんに何でも出してあげて」と言いながら、
満面に笑みを浮かべ話始めた。
その先輩オジさんの元気な背中を見ながら、
「やっぱり恋しなきゃな・・・」なんて思ったボクだった。
