80歳になったばかりという、独身女性二人の話し声が聞こえる
 「私はどんな物でも大切に使うからさ、この扇子だってもう20年使ってるけど
  ぜんぜん壊れてないでしょ」
 「あなたは凄いわよね、私なんて全然物を捨てられないから、部屋中、古い物だらけ」
 「そんなことじゃダメ、物をポンポン捨てるなんて、若い子みたいなことしてちゃ」
 「嫁は何でも捨てちゃうから、私の部屋には入れないようにしてるのよ」

  こんな具合に二人の会話は微妙にズレてる。
  お互いに、相手の話をホントに聞いてるのか、はなはだ疑問に思えた。

 しかし
 「ところで、あんたにベタベタ寄って来てた○男さんとはどうなの、その後」
 「あの男、女なら誰にでもベタベタする男だったらしくてさ、この前
  会の世話してる△美さんって言ったっけ、彼女の足を柱の影でさすってたからさ、
  思わず怒鳴っちゃって。それであの会には行きにくくなったわけ」
 「へ~、あの人そういう男だったんだ・・・」
 「男はみんな信用出来ないわ」

 こういう話になると、何故か会話がぴったりとかみ合ってくるから不思議。
 やっぱりいくつになっても、興味引かれるのは、男と女の話というわけだ。