何となく疲れた夜。本も読みたくないし、テレビも見たいものがない。
 時刻はまだ午後10時だから、寝るというには早すぎる。
 一人暮らしになってから月に2~3日、こんな夜がある。

 仕方なく、雑誌をパラパラとめくる。

 相撲界で今注目のモンゴル出身力士、逸ノ城の里帰りの話題。
 「僕の家族は遊牧民だから、帰るたびに実家のある場所が違うから大変なんです」だって。
 なるほどなあ、世界は広い。

 ラジオを聴く。視聴者の投稿。
 「通販で、これ一本飲めば一ヶ月分の野菜がとれるジュースと広告してたので、そりゃ便利だ と思って1ダース注文した。数日後巨大な重い箱が届いた。開けてみたら一升瓶の野菜ジュー スが12本。ビックリした」
 なんて話を聞いてたら思い出した。
 
 そういえば閑古堂が開店してすぐの頃、あるお爺さんが来店して
 席に付くなり「ブックコーヒーをくれ」と言った。
 その注文に驚いたボクは
 「うちはブックカフェですが、ブックコーヒーという飲み物はないんです」と真剣に答えたの だが、そんな話は全く聞いてくれず
 「外の看板にブックコーヒーと書いてあったから入って来た」と、
 「いいえ、その看板にはブックカフェと・・・」と言ったのだが、お爺さんは無視
 「僕は80年近く生きてるがブックコーヒーなんて飲んだことが無い。楽しみだ。
  理屈はいいから、早くブックコーヒーを頼む」
 と強行に言われたので、仕方なく普通のコーヒーを出したら
 「これがブックコーヒーか・・・」と頷きながら、嬉しそうに飲んでくれた。

 あれから5年近く。あのお爺さんは元気かなあ・・・。