古い雑誌に、もう随分前に亡くなった作家、石川達三さんが夫婦関係について語っている一文を見つけた。
「結婚の理想は、お互いに束縛せず、けれど緊密に意思疎通をはかること」
石川達三さんは恋愛関係や夫婦関係に生ずる様々な葛藤や矛盾、そして深い悩みなどの心理描写が絶妙で、その作品群ははボクの若い時代のバイブルだった。
特に印象に残っているのは
「青春の蹉跌」「結婚の生態」「悪女の手記」そして「開きすぎた扉」。
そういえば最近「彼氏が出来ない」と話す若い女性に
「『開きすぎた扉』という奔放な女性が主人公の小説があるけど、貴女の場合は「心の中の恋の扉」を、もう少し開いた方がいいと思う・・・」
なんて偉そうにアドバイスしてしまったことがあった。
そう考えると、ボクの恋愛や結婚に関する基本的な考え方は、石川先生の小説によって形成されているのかもしれないなんて、今思った。
しかし、ここで最初に紹介した言葉を再度読み返してみて
「夫婦間で、お互い束縛せず、緊密に意思疎通をはかる」のは、結構難しいことだと気付いた。
例えば、束縛しないということは、夫婦なのに外での恋愛は自由ということか?
そしてその自由恋愛の模様を奥さんやダンナに緊密に報告し、意見交換する?
この石川先生の「結婚の理想」を実行出来たら、結構面白い小説が書けそうだ。
