昨夜、ボクと同年代の独身オヤジH氏が、恋の悩みを打ち明けた。
「恋するって不思議だよね、逢うたびに嬉しくて、逢えないと悲しくて、逢えばまた切なくて、逢わずにいられない」
昔どっかで聞いたことがある唄の歌詞のような言葉を並べ、想いの深さを語りだした。
「なに言ってんだこのオヤジ」と心の底では思いながらも優しいボクは
「それで相手はどんな女性なの?」と聞いてあげる。
「ある店で働いてるんだ。可愛い娘なんだ。優しい娘なんだ。頭の良い娘なんだ。でも若いんだ、凄く。だからさあ、誘いたいんだけどやっぱりためらって、いつも冗談っぽくなっちゃう」
そこまで聞いて、もう良いかなと思ったボクは強い口調で言う。
「冗談にしておきなよ。相手だってさ、キミに本気で誘われたら困っちゃうよ。優しい娘なんだろ。誘いを受けることもできないけどキッパリ断ったらキミを傷つけちゃう、『どうすればイイノ?』なんて悩ませるのは、いい歳した大人のすることじゃない」
とっさの答えにしちゃ、なかなか好い事言ったんじゃない!、なんて自分に感心しながら
「大好きなんだろ、だったら遠くから見守るんだよ。そして彼女が幸せになるように応援してやるんだよ。大人なんだから!」と厳しい口調で彼に迫った。すると彼は
「え、それじゃもう誘っちゃいけないってこと?」と寂しそうに言ったので
「当たり前だ!」と、ボクはキッパリ言ってやった。
「キミだけがそんな可愛い女子と幸せになったりしたら、悔しいだろ」なんて、本音を語らないのが、オヤジの恋愛相談に対する正しい答え方なのだ。