ラジオの番組で40代のある奥様が
 
 「久々に中学校の同窓会の案内ハガキが来て、その幹事の名前を見てドキっとしました。卒業式の日に『将来僕のお嫁さんになってほしい』とプロポーズしてくれたY男君だったの。父の転勤などで、遠くに引っ越したこともあり、あの日以来Y男君には会っていないが、忘れたことはなかった。主人や子供には申し訳ないとは思いながら、今は同窓会の日に備え、毎日パックをし、エステに通い、ダイエットに励んでいる。カレンダーを見る度に胸がキュンと熱くなって・・・」

 奥さんの妄想の中ではきっとY男君は、役所広司や渡部篤郎のような素敵なオジさんになっていて、同窓会が終了したあと、皆で行く二次会の誘いを断って、二人きりで静かなバー行き、そしてその後は昼ドラのような熱い展開になっていくことを、恐れながらも期待しているに違いない。

 イケナイ恋ほど燃え上がる。そこで思い出した。
 「♬ 手紙を書いたら叱られる 電話をかけてもいけない ホテルで会ってホテルで別れる 小さい恋の幸せ・・・」
 そんな不倫の古い歌を。

 男子校出身で、そんな恋愛に無縁であり、現在は修行僧のような暮らしをしているボクは、奥様がこの様なイケナイ泥沼的恋愛関係に溺れないよう、
 Y男君がすでに丸禿げて、前歯が欠け、加齢臭を振りまくようなオッサンになっていることを祈っている。