先週末東京で飲んで、最終の東海道線に乗った。車内は仕事納め後の宴会終わりというような客が大量に乗り込み、通勤ラッシュ並の混雑だった。
 
 そんな状態だから当然座れるわけもなく、ボクはつり革につかまり、酔った頭で、車内広告をボーッと眺めていた。そして何となく正面を見たら、ボクの前に座っていた30代中頃に見える女性が、ボクをチラチラ見ていることに気が付いた。
 ボクはドキッとし、慌てて視線を外し、左の広告の方を向いた。すると今度はボクの右頬に、彼女の熱い眼差しが刺さるのを感じた。
 
 もしかしてだけど
 「一目惚れしました。次の駅で降りて、お茶でもいかがですか?」
 なんて言われたらどうしよう。そう思ったとたん、ボクの心臓はバクバクと音を立てて波打った。

 そんな興奮状態に戸惑っていた時だ、彼女がボクの方を見てすくっと立ち上がった。
 「とうとうキター!」
 ボクの心は叫んだ。
 
 すると彼女は言った
 「私、次の駅で降りますから、お座り下さい」と。
 瞬間、ボクは何が何だかわからなくなって
 「ボクも次の次の駅で降りますから結構です」なんて、答えちゃったのだ。

<*今年はこんなバカバカしいお話で終了です。1年間ご愛読ありがとうございました。
  来年のスタートは1月6日を予定してます。よろしくお願いします>