「白馬に乗った王子様が、私をきっと迎えに来てくれると信じてます」  
 ラジオから、そんな女性の叫び声が聞こえて来た。
 
 これまで、ボクの周囲にもそういう女性は何人か居た。
 20年ほど前、同じ会社で働いていた当時38歳だった女性も「待っている女」だった。
 「私の想う理想の人が、きっといつか現れる・・・」なんてツブヤキを、飲み会の度に聞かされたが、その後もずっと独身だった。

 昔はそういう女性の話を聞くと、単純に
 「あ~あ、可哀想に」と思ったものだが、最近はちょっと変わって来た。
 頭の中に思い描く男性は、容姿端麗でお金持ち、その上頭も良くて優しくて、さらに包容力もあって、浮気もしない。
 
 いくら夢の中とはいえ、そんな理想の男性とずっと恋愛していられるんだから、ある意味その女性は幸せなのだ。

 でも、そうは言っても、夢の中の王子様はずっと年を取らないけれど、彼女の方は現実に年を取るわけだから、愛し合う二人の絵柄としては、ちょっぴり悲しい・・・。