開店前の掃除をしていたら、自宅の電話が鳴った。
 受話器を取ったら直ぐに
 「NTTの代理店の・・・」なんてセールストークが始まった。

 その時今度は、店の方の電話も鳴った。それで慌てて、自宅の方の電話のセールスマンに「ゴメン、切るね」といって、店の方の受話器を取ったら、丁度切れてしまったとこだった。

 その瞬間、切れてしまった電話の相手がとても気になりだした。
 
 ひょっとして数日前に立ち話しをした、あの若い素敵なママさんじゃなかったのか。
 もしかしたら近所のカフェで働く、あの可愛い彼女だったかも。
 それとも、犬の散歩中に挨拶する、モデルのようなスタイルの、あの娘だったりして・・・。

 そんな妄想の世界を夢見るように泳いでいたら、玄関の方から
 
 「電話しても出ないから休みかと思ったわよ」
 
 というおばあちゃんの声がした。