もう70代前半位になっただろうと思う従姉妹から電話があり
「たまたまさあ、あんたのプロフィールを見たの。そしたら出身が東京って書いてあるじゃない。違うでしょ。あんたは伯母さんがウチへ里帰りして、それで生まれたんだから、出身は宮城県でしょ。生まれて1ヶ月も居たんだから・・・」
と、そんなわけのわからない話から始まって、近所の話、孫の話、病気の話、親戚の話と、尽きることなく話し続けたのだった。
そんな遠くで響く声をBGMにして、手元にあった雑誌を読んでいたら、突然電話口から
「マリリンモンロー・・・」という従姉妹には全く似合わない単語が聴こえて来たので、驚いて聞き返した。
「今、マリリンモンローって言った?」と。
すると話はいつの間にかまた、ボクが生まれた時の話に戻っていたらしく、
「あんたがうちの家に居た一ヶ月は弟の部屋に寝かされてたのよ。そん時弟の部屋にはマリリンモンローの雑誌の切り抜き写真がいっぱい貼ってあってさ・・・」
その話を聞いたとたん、何か気持ちの中の小さなモヤモヤが晴れたような気がした。
そういえば若い頃、ボクはマリリンモンローの写真や映像を見ると、何故か妙に興味を引かれた。
そのちっぽけな謎が今解明されたのだ。
ヒヨコは生まれた時に目の前にあった物を母だと思うという。
そういう意味でボクは、マリリンモンローを瞼の母と思って成長してきたのかもしれないと。
だから決してモンローのセクシィーボディに心奪われていたわけではないのだ。