外へ出たら、冷たい雨が降り出した。
 ふと前を見ると、傘もささずに濡れて歩く女性が一人。

 その背中は寂しそうに
 
 「誰も声をかけないで。優しい言葉が今は辛い。別れたあの人を想い出すから・・・。このまま濡れていたいの。私を捨てたあの人への、未練心を流し去って欲しいから・・・」
 なんて、語っているのだ。

 そうかそうか、
 「人生イロイロあるからね、そんな悲しみもきっと時が解決してくれるさ・・・」と、後ろから優しい言葉を投げかけるボク。

 するとそこで、何と、そのいい雰囲気を打ち壊すように、女性がバックから傘を取り出した。

 なんだ、今雨に気付いたというだけのこと?。

 よ~くみたらその女性は髪がふさふさ。

 結局、毛の無い頭は、雨の降り出しに気付くのが早いというだけのお話でした。