今茅ヶ崎では強風が吹き荒れている。
 ついさっき、その強風がある不運な出来事を呼び込んだ。
 
 「バタバタ・カーン」という聞き慣れない音がしたので、何事か?と、外を見ると、我が家の洗濯物がハンガーごと飛ばされ道に落ちていた。
 慌てて外へ出て、その洗濯物を拾い集め、丁度奥さんの下着を手に持ったところで、隣家の角から突然現れた若い女性と目が合った。
 
 その目を見て驚いた。なんとそのつぶらな瞳は
 「慌てて女性の下着を拾ってるこのハゲオヤジ、怪しい!」と言っていたのだ。
 
 そこで
 「お嬢さんそれは違います。誤解です」なんて、声を出して否定するのも変だと思ったので
 まず我が家の2階のベランダを見て「あそこからコレが飛ばされて来たわけです」と視線で語り、次いで、家の玄関を見て「ここはボクの家です」と合図し、さらに「ボクは決して怪しい人間ではありません」ということを知らせるために精一杯、微笑んでみた。

 するとその女性は、びっくりしたような表情をして、逃げるように去って行った。

 今考えて見ると、トッサのこととはいえ、奥さんの下着を手に持ったまま微笑んだのは、やっぱりまずかったと反省している。