知り合いに、誰もがうらやむような金持ちオジさんがいる。
その家は50年も前からの資産家で、都内の一等地に賃貸マンションや駐車場を所有しているので、毎日遊んでいても月に数百万円の収入がある。
でもそのオジさんの人生は、決して幸せではない。
子供の頃から旨いものばかり食べていたからか、30代から血糖値、コレステロール値、尿酸値が異常に高くなり、山ほどの薬をずっと飲んでいるし、食事はそれ以来病人食だ。
さらに当時医者から「運動をしろ」と言われ、真夏なのに頑張って走って熱中症になり、死にかけたこともある。またその時の無理な走りが災いしてか、腰痛が悪化し、好きなゴルフも出来なくなった。
家族関係も複雑で、これまで3回結婚したが、子供はたった一人。
さらに、その子に最近蹴飛ばされ「肋骨にヒビが入った」と嘆き「ホントにボクの子なのか?生まれた時からずっと疑ってる」と涙ながらに告白する。
「だからさあ、丸もうけの人生なんてないし、お金さえあればイイっていうもんじゃないんだよ!」
と、ボクが真剣に話し出したら奥さんが
「その話をするってことは、最近の閑古堂は閑古鳥の楽園になってるってこと?」
と言った。