昨日来店された70代の女性が
 「私、恋愛小説が書きたいの。でも恋愛経験が少ないから。やっぱり恋愛小説はいろいろ経験してないと書けないわよね・・・」
 
 そんな疑問を投げかけられて、ボクが黙っていられるわけがなく・・・、

 「そんなことはございません。恋愛小説でもイロイロです。いつも朝の散歩ですれ違う素敵な人への一途な想いを、そしてその片想いの背丈が日に日に成長し、ある日耐えられないほど彼を待ち焦がれるようになってしまったその気持ちを、切々と綴るなんてことでもいいし」
 
 「なるほど・・・」
 
 「そうだ、○○さんが学生時代にした初恋を、今の自分ならどうするか、そんな観点で書いて見るっていうのはどうです」 
 
 「それならできるかも・・・」
 
 「あっ、こんなのはどうですか、情熱的悲恋の演歌を題材に、それを小説にしていくなんての楽しいと思うなあ、歌は、そうだな『天城越え』なんていいんじゃないかなあ・・・」

 「なるほど、恋愛小説はマスターが書けばいいっていうことがわかったわ。それはそうと注文したコーヒーまだなんですけど・・・」

 トホホ、やっぱりボクは接客業には向いていないようだ。