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 先週土曜日、高校時代のクラス会があった。
 場所は浅草、会場は創業明治13年という老舗の神谷バー。

 案内板に従い2階に上がると、一番奥の大テーブルに、ハゲ、薄毛、白髪、腹ぼて、シワシワの、色香のカケラもないオジさん集団が、真面目な顔して並んでいた。
 その光景を眺めながら
 「なんで来ちゃっのかなあ・・・」なんて、不謹慎なことを呟いたボク。

 会は各自の人生報告から始まった。
 
 みな30数年も、社会の荒波にもまれてきたオジさんだし、家族の説明もある、それに40年ぶりなんて人も多いというわけで、どこまで話せばいいのか、みんな迷いながら、そして空気を読みながら語っていた。
 
 その間、神谷バー名物のデンキブランという強い酒を、グイグイ飲んでいたわけだから、20人の報告が終わる頃には、もう皆ベロベロ。

 すると突然、頭頂部ツルツルオジさんが
 「最初さあ、オマエを見てさあ、あ~あ、こんなに禿げちゃって、と思ってさあ、本当に変わったよなオマエ」と叫びながら隣りに座った。
 そしてボクの目を見つめ、さらにボクの右手を力一杯握り
 「懐かしいなあ、ほんとに会いたかったよ,・・・」と言った。
 
 さすがにそこまでの状況になって
 「あんたは誰?」とは言えなくなって・・・。
 酔ったふりして
 「ホント懐かしい、ボクも会いたかったよ」と大人の対応をしたら、彼は嬉しそうに瞳を潤ませ、大きく頷いたのだった。

 愛もない見知らぬ?オッサンに、こんなにも強く手を握られて・・・、
 そんな初体験にドギマギしてしまったクラス会の夜が、賑やかに更けていった。
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