高校時代の友人に
「修学旅行の時、オマエに誘われて夜旅館抜け出して、ディスコへ行ったよな、あれ福岡だっけ?」
と聞いたら
「熊本だよ。それに誘ったのはボクじゃなくてキミ。夜の悪い遊びといえばいつもキミが先頭だったでしょ」
と言い返された。
高校の修学旅行と言えば、今から40年も前の話だから、どっちの記憶が正しいかなんて証明するのは大変だが、ボクはずっと、あの規則破りは、悪友に誘われて仕方なくそうなったと記憶していた。
もしそれが、ボクが誘ったというのなら、ボクの頭の中の自伝を修正しなくてはならない。
実は最近、知り合いと過去の記憶が違うという場面に、多々出くわすのだ。
基本的に、人間の記憶は、あいまいで不完全なものである。
さらに、事と次第によっては自分に都合の良いように、覚えやすいように、さらにはウケやすいように事実をねじ曲げたり、現実を拡大解釈して記憶し、それを面白くアレンジして話してしまうこともある。
そこで一応、高校時代の日記を確認してみた。
するとおかしなことに、誘ったのはボクだと書いてあった。
今回の一件で良くわかったのは、高校時代のボクってのは、あったことををそのまま書くような、全く面白みなない奴だったということだ。