昨日、始めて来店された中年の女性が、入ってきてすぐ
「ここはどうみても普通の家じゃないですか。だからとても入りにくい。ここへ来るのは今日で2回目なんですけど、ご主人が顔を出してくれなければ、また入らないで帰っちゃったと思います。せめて入口の所にホテルのフロントにあるようなベルを置くとか、何か考えた方がいいと思いますよ」
と、苦情を述べられ、そして
「普通の人はほとんど入れないと思うけど・・・、でも入って来る人もいるんですよね?」
と質問された。
そこで
「当店のお客様はほとんど普通の方ですが・・・」と答えようとも思ったが、そんな反論じみたことを言うのも大人げないので、微笑みながら二三度あいまいに頷いた。
その後、好きな本のことなど、いろいろな話をしていたら
「この店では居眠りしたりするお客さんなんていませんか・・・」と言ったので
「これまで何人かいらっしゃいましたよ・・・」とボクが答え始めたその時、その女性は目を閉じ、スヤスヤと睡眠タイムに入られた。
その女性の寝顔をカウンター越しに眺めながら、店って楽しいかもしれない、と今更ながら思ったのだった。