先週あるおばあちゃんの話を、久しぶりに聞いた。
身の上話から始まり、茅ヶ崎の今昔話、友達の話、最近の若者話と続き、そろそろ終わりに近づいたかなと思った時、思い出したように、前日見たという、テレビ番組の話をし始めた。
その番組の内容は、ピーナッツアレルギーのアメリカ人女性が、アレルギーが出ないようにと、ピーナッツ類の食品には細心の注意を払い、周囲が呆れるほどの気配りをしていたのに、ある日突然アレルギーが出てしまったという話だった。
そこでボクが当然のように
「どうして食べてないのに、アレルギーが出たんでしょう?変ですよね」と質問した。
すると、どうしたことか、これまでの能弁だったおばあちゃんのしゃべりが止まり、ちょっとうつむいて、何となくモジモジしているのだ。
そしてしばし間があり、ためらいがちに
「ほら、外国人っていうのはよくキスするでしょ・・・」
とポツリと言った。
60年も前の、初キッスの場面でも思い出したのだろうか、その顔は、ちょっと赤くなっていた。
「キス」という言葉だけでも照れちゃう。
ボクも八十過ぎたら、そんな純なジイさんになるのかも・・・。