ある老人クラブの集会室で
 「僕は今年73歳になりますが、これまで一度も結婚していません。それは二十歳の頃、ある女性に一目惚れしたのですが、その女性はすでにある方の奥様で、実らぬ恋だったわけです。でもどうしても諦めきれず、その方をずっと想っていたらこの年になってしまいました」
 一人のおじいさんが、そんな青春時代の想い出を語った。
 するとクラブの常連のおばあさんが
 「へえそういう純粋な方は小説の中にだけに居るんだと思ったわ。それで今でも彼女を好きなの」と聞いた。
 「もちろんです。気持ちが変わらないことを伝えるため、毎年彼女の誕生日にはバラの花束を届けているんです」とおじいさんは答えた。
 その時、いつもあまり話しをしない別のおばあさんが「とっても素敵なお話。ところで私も来週に80歳になるのだけれど、だれかバラの花束でもプレゼントしてくれなかなあ」と、恥ずかしそうに小さな声で呟いた。

 そしてその翌週、同じ老人クラブ集会室で皆が雑談していると。
 あの純愛を語ったおじいさんが遅れて入って来て、一人のおばあさんの前に立ち「80歳のお誕生日おめでとう!」と言って、真っ赤なバラの花束を差し出した。
 満面の微笑みで感動するおばあさんはその花束をかかえ「ありがとう、生まれてはじめて。ほんとに嬉しいわ」とお礼を言った。

 すると、奥に座って、そのやりとりをじっと見つめていた、派手な服装のおばあさんが「あ~何か今日は気分が悪いわ、ムカムカするからもう帰る!」と叫んで席を立った。

 その言葉にみんな驚いて、席を立った派手なおばあちゃんを見つめた。
 すると、おばあさんが鬼のような形相で振り返り「そのおじいさんはね・・・」

 この続きは、また来週!ということで・・・。