お客様から、ある飲食店の厳しい実情を聞かされた。

 そこは何と驚くなかれ、お昼から午前2時まで、ママさん一人で営業しているというカラオケスナック。
 お昼はご近所のオバさんやお年寄りがお茶を飲みながらカラオケを、夜は周辺の商店街のお父さんたちが、お酒とカラオケを楽しむ店だそうだ。

 これまではまあまあ、流行っていたのだが、震災以降、夜のお客様が急激に減少。さらに梅雨に入ってお昼のお年寄りも来なくなり、まさに閑古鳥が居座る店になってしまった。

 そんなある夜、体格のいい、しかしひどく酔った、初めてのお客さんが来た。
 そしてその店でもさらに飲み、ママとダンスがしたいと懇願した。
 初めてのお客には、そんなサービスは決してしないママさんだったのだが、売り上げのためと思い、ダンスを付き合った。するとその酔っぱらったオジさんが、酔った勢いでママを力いっぱいぎゅっと抱きしめ続けた。
 
 翌日胸のあたりに激痛が走り、病院へ行ったらママの肋骨は折れていたという話なのだ。

 「客商売はいつどんな人が入って来るかわからないから、不安だよねえ」と良く言われる。

 確かに・・・。
 もし閑古堂に綾瀬はるかさんが来て「お願いだから私とダンスを踊って」なんて言ってボクをぎゅっと抱きしめたら、きっとボクは震えるほど興奮し、ダンスが始まると同時に血圧が急上昇。遂には脳の血管が切れてあの世の人になってしまうなんてことに・・・。
 とても心配だ。