「暖房が20度じゃ寒い」
 「冷房が28度じゃ汗が止まらない」
 「窓を開けてほしい」
 「読書に音楽はいらない」
 「この店にはクラシックが似合う」
 「店主がしゃべり過ぎ」
 「もっとおしゃべりしてくれるマスターだって聞いてきたのに」
 
 お客様の希望は実に様々だし、10人が10人皆違うのだから、全員の希望を叶えるのは無理だ。
 開店当初はそんなことで迷って、いろいろ工夫したり変えてみたりもしたが、すぐにそんなことは無駄だとわかった。

 それで今は、冷暖房は省エネモード。
 邦楽、洋楽、クラシック、ジャズ、フォークがごちゃまぜに流れるBGMの中、べらべらしゃべる気まぐれ店主が、お客様の読書のジャマをするブックカフェ、というコンセプトで営業しているわけだ。

 こんなポリシーでやってる店が繁盛したら、一生懸命やってる他店に申し訳ないよね。