最近、よく通ってくれるようになったおばあちゃんがいる。
 そのおばあちゃんは本当の読書家で、いつもペンで文字を追いながら、2時間ほど集中して本を読んでいく。
 
 その姿を拝見していて「最近談話室になっていた閑古堂が、久々にブックカフェに戻ったな」なんて思っていた。

 しかしそのおばあちゃん、読書環境にとても厳しい方だったのだ。
 前々回来店時「エアコンを止めて」と言った。「私は家ではエアコンを使わないし、本を読んでいる時には必要ないと思う」とおっしゃるのだ。
 確かに節電が必要な時期だし、暖かくもなって来たからと思い、エアコンを切った。
 
 すると前回は「音楽を消してください。音があると読書に集中できないから」と言った。まあ、他にお客様も居なかったので、BGMを消した。
 するとそれから30分ほどして、別のお客様が来店した。
 その方は久しぶりだったので、震災時のことなど、次々に質問して来て、静かだった店内にボクの大きな声が響いた。
 
 すると読書家のおばあちゃんはすっと立ち上がり、「また来ます」といってお帰りになった。

 今度来た時のおばあちゃんの注文は
 「読書のじゃまになるから、おしゃべりマスターを変えていただけませんか」
 だったりして・・・。