そういえば以前勤めていた会社では、月曜日の朝に定例の会議あった。
 毎週だから、大した議題がない日でも開催されていたのだが、その会議でいつも居眠りしている先輩がいた。

 その先輩の口癖は「オレ不眠症なの」だったが、同僚たちは「仕事中にあれだけ寝てりゃ、夜眠れるわけがないだろう」と言い合っていた。

 しかし、会社ではそんな夢遊病患者のような先輩が、夕方居酒屋へ行くと大変身し「組織が悪い」だの「上司に人を見る目が無い」だの「報告書類が多すぎる」だの「会議開催の曜日がおかしい」だのと、大演説を始めるのだ。
 
 ある日の宴会で、その先輩がまたまたそんな演説を始めた時、後輩が突然立ち上がり「そんな話は会議の時にしてください!」と叫んだ。
 その声に皆、ケンカでも始まるんじゃないかと、ビクビクして成り行きを見守ったが、先輩は一瞬沈黙したあと「キミの言う通りだ。今度の会議で上司にハッキリ言おう」と回答した。周囲は呆気にとられ、何となく拍手する人まで居た。
 
 そして翌週、月曜日の会議が始まった。皆期待を持って先輩の姿を追ったのだが、予想に通り?熟睡していた。
 
 その先輩、最近60を過ぎて、ある地方都市の議員になったという。
 すると当時の上司が「とうとうあいつ、一番寝やすい職場を見つけたようだな」と言って笑った。