「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ、アイ・アム・ア・・・」
 夕方の散歩途中、海岸に出た所で、正面から来たオジさんに英語で声をかけられた。
 
 一瞬、変な怪しい人じゃないかと身構えてしまったのだが、英語を話す表情を確認すると、優しそうで温和に見えたので、ちょっと安心し
 「ソーリー、アイ・キャノット・イングリッシュ」と答えた。するとそのオジさんがボクの顔をマジマジと見て
 「ドイツ?」と質問口調で問いかけて来た。
 なんだか良くわからない展開になったので仕方なく
 「アイム・ジャパニーズ」と少々大きな声で返事をした。
 するとそのオジさん
 「何だ日本の方ですか。ボクはこの地域で外国の方のコミュニティを作るような活動をしてるもんで、ちょっと声をおかけしました。日本の方には見えませんでした、イヤー失礼しました」と挨拶して去って行った。
 
 そんなことがあったから、帰宅後すぐに鏡の前に立ってみた。
 すると以前よりなんとなく、鼻も高くなったように見え、奥二重だった目もパッチリクッキリし、欧米人のような雰囲気が漂っているではないか。
 さらに冷静になって、微笑んでいる顔全体をじっくりと眺めいたら、鏡の中のボクの顔がなんとあの大物ハリウッドスターに少々似てきたような感じがしてきた。 
 
 というわけで、今度また同じような経験をしたら迷わず「アイ・アム・ア・リチャード・・・」と答えようと思う。