入院中の愛犬への面会は午前10時から。店の開店もあるのでやや早めに行って、病院の前で待っていたら、近くに可愛い赤ちゃんを連れたママを発見した。
 ニコニコ笑っている赤ちゃんの魅力もあり、ボーッと待っている手持ちぶさたな感じもあり、その親子に近づいて、赤ちゃんを見つめていたママに「何ヶ月ですか」と声をかけた。するとその若いママはビックリしたような顔をして「今パパが来ますから・・・」といってボクに背を向けたのだ。
 
 こういうのは意外にショックで、帰宅してから久しぶりに鏡に映る自分の顔を見た。人に危害を加えそうな恐い顔じゃないし、例えるなら気の弱そうな年老いたバンビのような顔だ。それなのに何故あのママはボクを怖がったのか・・・。
 
 それで再度、鏡の前であの場面を再現してみた。「何ヶ月ですか」と言いながら笑い・・・。
 これか・・・、恐れられた原因が判明した。
 ボクの緊張して話そうとする時の不自然な笑顔は、オラウータンが苦笑いした時のような怪しい顔だったのだ。