
コースとなっている国道134号線に出ると、大量の人間が途切れることなく、濁流のように流れ行くという、いつもと違う景色があった。少々驚きながらしばし目を奪われていたのだが、しかし肝心の婿はなかなか来ない。
するとミニィちゃんの衣装を着て笑いながら走るオバさんが、次いで、手を振りながら走る、シワだらけの70歳過ぎに見えるお爺さんが通過した。
そこで思わず「20代の男があんな仮装オバさんや、シワシワ爺さんより遅いなんて信じられん」と、娘に聞こえないように呟いた。
そんな時、何故かボクの体がふらふらしてきた。それはまるで、長時間小舟に揺られた時のような感覚なのだ。これは、大量の人間が揺れる波ように移動する中に長時間居たために、船酔いのような人波酔い状態に陥ってしまったために違いない。人の波に酔ったなんて始めての体験だ。これは明日のブログに書かなきゃなあ、なんて思っていたら、周辺に家族の声がした。
すると婿さんは、知らぬ間にボクの目の前を通過してしまった。
「全くオレの前を挨拶も無く通過するなんて、イイ根性してるじゃないか」なんて、面と向かっては勿論言えません。