昨夜、雷の音と光にちょっと驚いて、窓から空を見上げた時、玄関のドアを激しく引っ掻く不快な音に気付いた。見ると愛犬が大慌てで、家の中に入ろうとしていた。
 我が愛犬は、何しろ雷に弱い。こりゃ放っておくと、ドアが傷だらけになってしまうなと、急いでドアを開けて家の中に入れてやった。すると愛犬は「恐いよう、何とかしておくれよう」と言うようにボクにすり寄って来た。怯える愛犬というのもなかなか可愛く、5分ほど遊んでやり、落ち着いて来た表情を確認し、廊下の柵を閉めボクは部屋へ戻った。するとその時「バリバリ」と、これまでで最も大きな音がして、強烈な光が放たれた。
 すると愛犬は柵の前で一声吠えたと思ったとたん、柵の下の廊下を必死に堀り始めた。
 こんなこともあろうかと、廊下のフローリングにはシールを貼ってはあるのだが、その厚いシールを破きそうな勢いで必死に廊下を掘り続けるのだ。
 そういえば昨年売却した車も、愛犬の引っ掻き傷とカジり切ってしまった後部座席のシートベルトのおかげで、引き取り査定額がグーンと下がってしまった。同様に売却するこの家も、愛犬の大暴れの傷跡のお陰で、査定額がずいぶんと下がったのだった。
 しかし、そんなことを後悔しても仕方が無い。「わんぱくでもいい、元気に育ってくれれば」と思ったのは飼い主のボクなのだから。