今朝電車内で、ふと顔を上げて前に立つ人たちを見たら、5人全員がマスクをしていた。その5人の内訳は若い女性が3名、学生風男性が1名、中年男性が1名だった。
 昔のマスクは、口と鼻の穴をちょっと覆うように、厚いガーゼが顔に乗っているという感じだった。しかし最近の物は、薄手の紙ようような素材で顔の大部分がぴっちりと隠れる。だから目とその周辺が際立って目立つということに気付いた。
 当然だが、男性の目にはあまり興味がわかない。それで、女性だけをちらちらと観察してみたら、一番右に立っている若い女性の目に、ボクの視線は釘付けになった。目だけで言えば、綾瀬はるかさんのような美人であることを発見してしまったからだ。
 そこで、マスクの裏に隠れるその女性の鼻と口元を、どうしても見たいという欲求がわき上がって来た。しかし当然のことだが「ちょっとマスクを取っていただけませんか」なんてお願いできるわけもない。仕方なく妄想と想像でその女性の顔の全体を頭に思い浮かべたのだが、それはそれは美人だった。
 そこで余計なことだとは知りながら、ボクがマスクをして立っていたら、なんてことも想像してみた。
 最近、顔のアクセントにしようと、盆栽のように丁寧に手入れしているヒゲも、唯一自慢の高い鼻もマスクの中。すると皆さんに披露される部分は、ゆで卵のような頭と、海苔の切れ端のような眉とタレ目だけ。こりゃ花粉症になっても、マスクは出来ないぞ、なんて思って、ちょっと憂鬱になってしまったのだ。