25年以上も通っている飲み屋が新宿にある。そこのマスターの自慢は息子だ。長男は有名都立高から一浪して昨年、早稲田大学に入った。
 中学生くらいになった頃からだと思うが、息子がいかに優秀か、行くたびに聞かされる。だからマスターの息子自慢が始まると、客同士が目で合図をし、別の話題に移そうと協力して頑張った。
 しかし、昨夜のマスターはこれまでとちょっと違い、息子の人間性の心配を口にした。「信頼する先輩や親友の誘いであっても頑に拒み、お酒は20歳になるまで1滴も口にしなかった。もちろんタバコなど悪戯でも吸ったことはない。その上、女の子と付き合っている様子も全くないんだ」というのだ。
 その話を聞きながら、ボクの3人の子供を思い出した。酒もタバコも異性関係も、同じ人種であることを疑いたくなるような違いである。
 まじめ過ぎる息子の悩み。ちょっと過保護すぎるとは思うが、酔いも手伝い「そんなこと心配ないよ、ボクだって20歳の頃はマスターの息子と似たようなもんだった・・・」と、ハゲマシのアドバイスをしてみたが、何故か誰も聞いてくれなかった。