知り合いの医者のIさんは、ゴルフへ行くたびに「医者は運動不足になりがちだし、家の中にばかり居るから外へ出て日に当たる必要もある。医者の不養生というのは恥ずかしいこと。職業上の責任を考えれば健康を維持することは必須。そういう意味からゴルフは条件にかなうんだ」などと言う。
 どうして素直にゴルフが好きだ、面白くて止められないと言えないのか。
 数年前Iさんの奥さんに初めて会ったのだが、奥さんも市民大学講座へ出かけたことを「生きている限り人生は勉強です。主婦も家にこもっていないで、どんどん外へ出て最新の情報に触れることが大切ですよ」なんて、出かけることに理由づけをする人だった。
 まあ二人ともまじめで世間知らずのお坊チャマとお嬢チャマなのだが、いつもいつもこんな風に弁解しながら出かけるのでは大変だなあ、と思っていた。
 そのIさんが最近、新宿のフィリピンパブやキャバクラに頻繁に通っているという噂を聞いた。きっと出かけるたびに彼は「医者はあらゆる人の相談を受けるという任務がある。そういう時に常に的確なアドバイスをするためには、あらゆる職業や職場を知り、様々な立場の人との交流を経験しておく必要がある。そういう意味でフィリピンパブやキャバクラは役に立つ」なんて、弁解しながら出かけているに違いないと思った。