仕事帰り、ミッドタウン脇の公園を通って駅へ向かうのだが、そこに必ず居るのが小さな犬を連れたおばさん軍団。中央の芝生広場の中心付近に、輪をつくるようにして集まり、愛犬自慢?に花を咲かせる。そしてその輪の周囲には、リードを外され自由になった愛犬たちが嬉しそうにジャレ合い駆け回る。
 「○○ちゃん、そんなに早く走ると危ないわよ」「××ちゃん、うちの○○ちゃんと遊んであげてね」そんな声がモレ聞こえてくる。もちろんこの公園はドックラン用に造られたものではないし、公園のあちこちに「リードをはずしての散歩は禁止です」と書かれた看板がある。しかし「赤信号も皆で渡れば恐くない」という気持ちと「家の子はとてもお上品で、可愛くて良い子だから」などと、皆思っているからなのだろう、一人が禁を破ると、その他の人も当然のように禁を破る。
 昔、飲み屋で、ある中年男性が「家の子が可愛くてさあ・・・」と、話しかけてきた。しかし、よくよく聞いてみると家の子というのはマルチーズのことだった。そして「キミも子供がいるらしいからわかると思うけどさあ・・・」と話したので、ボクは「やっぱり人の子と犬とは違うでしょ」と答えたら、「どこが違うか説明してみろ」と、胸ぐらをつかまれたことがあった。
 そういえばボクは、自分の本当の子供たちにだって「○○ちゃん、そんなに早く走ると危ないわよ」なんて、お上品な言葉を使ったことはなかった。もちろん愛犬にもだ。