先日、仕事場のエレベーターに乗った時「カチャカチャカチャカチャカチャ・・・」という連続音が、庫内に響いた。ふと見ると「閉める」のボタンを、目にも止まらぬ早さで押し続けるおじさんが居たのだ。そしてドアが閉まると今度はその指が「8階」のボタンに移動した。
 ちょっと驚いて、思わず彼の行動を見つめてしまったのだが、その指先はまるでキツツキのクチバシのように鋭く、素早く「8階」のボタンを押し続けていたのだ。
 そんなに急いでいるのか、それとも何か気に入らないことでもあってイライラしているのか。おじさんのしょいこんでいる最近の辛い生活を、ちょっと想像してしまった。
 しかしだ、今朝またそのキツツキおじさんと同じエレベーターに乗って気が付いた。これは生活のイライラではなく病気なのだということを。
 今朝のキツツキおじさんは知り合いのような人と二人で乗っていて、話しながら笑っているにもかかわらず、指だけは「閉める」のボタンを連射しているのだ。同乗しているその知人らしき人も、ちょっと怪訝な顔で、その指先を見ていたのだ。
 というわけで、今度そのキツツキおじさんとエレベーターに乗り合わせたら、おじさんより先にボクが「閉める」のボタンを押し続け、次いで「8階」のボタンを連射してみようと思う。ボタンを奪われたおじさんが、その時どんな反応をするか、楽しみじゃないですか?。結果はもちろんここで報告させていただく。