今朝、大江戸線に乗り込むと、運良くドア横の座席が空いていた。
 そこに座って読書を始めて5分ほどが経過したころ、ボクの毛のない頭頂部に筆先の毛で撫でられたような感触が走った。ビクッとして左にチラッと視線を移すと、そこにはとてもスリムなジーンズをはいた長い足が見えた。
 「ロングヘアの女性は髪先まで神経が行き届かないんだな、気をつけなきゃ」なんて思いながらも、読書を続けていたのだが、大きく揺れる度にその髪がボクの頭を撫でるので、だんだん活字に集中できなくなり、その女性がどんな人か確認したくなってきた。
 そして新宿に到着した時、その人が降りたので、後ろ姿に視線を投げてドキッとした。超スリムでロングヘアのその人の顔は、なんとヒゲもじゃのお兄ちゃんだったのだ。
 六本木に到着し電車を降りエスカレーターに乗ると、その時の頭上部への感触と不潔なお兄ちゃんの顔がじわじわと蘇ってきて、何となく頭に細菌でも塗り込まれたような気分になってきた。
 というわけで、仕事場へ着くなり朝シャンをしてしまったのだ。