今朝の通勤途中、寒風に凍える公園のベンチに、40代中頃に見える男性がガックリとうなだれるように座っていた。視線は目の前の池など眼中にはないというように足下に落ち、地面に向かって何かつぶやいているようにも見えた。
 そんな彼の後ろ姿をじっと見ていたら、そのつぶやきが彼の背中に浮かび上がった。
 「ダメだ。もうダメだ・・・」「どうしよう・・・。どうすりゃいいんだ・・・」「こんなことになっちまって・・・」
 そんな背中がかすかに揺れた。泣いているのだろうか・・・。
 愛する人の悲しい知らせ?、借金苦による絶望?、仕事での取り返しのつかない失敗?、解雇通知?、ボクの頭の中に様々な思いが浮かんでは消えた。
 そして変なを気を起こさなきゃいいがなあ、なんて思った瞬間、彼が右前方を見たかと思ったら、突然立ち上がり走った。ボクはドキッとして彼の姿を追った。
 すると、何とそこにはトイレがあり、モップとバケツを持ったおじさんが出てきて、<只今清掃中>の立て札を手に持ったところだった。