昨夜は午後10時過ぎに、練馬の北の端にある光が丘公園まで散歩に出かけた。この公園は日比谷公園の4倍ほどの広さで、野球場、フィールドアスレチック、陸上競技場、弓道場、テニスコート、バードウォッチングスペースなど、様々な施設や遊び場のある都内でも屈指の大公園だ。
 この公園は深夜に行っても実に楽しい。街灯の下では若者が音楽に合わせて必死に踊っているし、入り口近くのコンクリートの広場ではスケボー少年が妙技を披露してる。奥へ入っていくとクラリネットやトランペットの音色が響く。その他走っている人、ウォーキングをする熟年夫婦、抱き合うカップルがいるかと思えば、深刻な顔で声を荒げるカップルも居る。また、屋根のある休憩所の灯りの下では、この公園の住人たちが酒宴で盛り上がる。さらに自転車でぐるぐる回っている怪しいおじさん。ベンチに一人で座り、じっと動かない若者。その間を携帯電話の通話中の小さな灯りが、蛍の光のように飛び回っている。本当に様々な人間模様が見られる楽しい公園なのだ。
 我が愛犬もこの公園が大好きだ。茂みの中に入ると、鼻を地面にこすりつけるようにして、そこらじゅうをくるくると動き回る。その姿を見ると僕はいつも、いつか彼女が札束でも掘り出すんじゃないかと期待する。
 そんな時を30分ほど過ごし、帰ろうとするとこれが大変。公園の入り口近くまで来ると、彼女は後ろを振り返り、伏せをしてしまう。どうしても帰りたくないという意思表示なのだ。その姿はまるで楽しい新宿の夜にはしゃぎ、終電を忘れてもう一件寄ってしまう自分を見ているようだ。夜遊び好きはどうも僕に似てしまったようだ。