インフルエンザとコロナの
巷での流行が落ち着くまで
施設の父との面会ができないので、
父に手紙を書きました。
来月に家の解体が決まったことを
伝えるためです。
これまで、母と私だけで
解体の準備を進めてきましたが、
そういえば、ちゃんと父にも
家が無くなることを
納得しておいてもらわないと
と思ったからです。
本人が今後のことを
わかっているのかどうか
確認しておかないと、
事後報告で嫌な思いをさせるのは
こちらもつらいですから。
生まれ育ち、
長年住み慣れた家が無くなるのは、
父にとっては私以上に
寂しいでしょうね。
ほんの1年前まで暮らしていた家には、
それまで使っていたものが
そのまま残っていて
父はほぼ身一つで
施設に入りました。
まだ元気なころ
趣味で撮ったたくさんの写真も
引き出しのなかに
びっしり入ったまま。
持っている服のほとんどもそのまま。
解体と同時に家財道具もすべて
処分することになるので、
何だかとても心が痛いのです。
でもどっちみち、
介護付き施設になんか
持って行けませんもんね。
今の父の手元にあるのは、
施設で暮らすのに必要な
最低限のものだけ。
父は入院しているときから、
少しの現金でいいから
手元に持っていたいと
言っていました。
それが意欲にもつながるのだと。
でも介護施設ですからね、
もちろん、持たせてはもらえません。
老人会などの旅行や宴会の
写真をまとめた小さなアルバムは
お気に入りだったようなので
施設の部屋に置いてあります。
父は、毎日どんな気持ちで
過ごしているのでしょうね。
なるようにしかならないと
今の生活を受け入れて
流れに身を任せ
淡々と暮らしている気がします。
歳相応に認知機能が衰えているのは
ある意味救いかもしれません。