エアコンの設置場所(高さ方向) | ヒートショックのない家を建てる

ヒートショックのない家を建てる

高齢の母のために考えた家を建てた経験を通して、注文住宅全般、特に換気関係について考えます。

 エアコンは天井付近に付けるのが普通ですが、真下に風を落とすことが難しいので、斜め前方向に冷気が出て、直接体に当たってしまうことが多くなります。冷気が最初に足元に流れるので、足が冷えて不快です。

 

 風量は最小にしてなるべく風が当たらない様にすると快適です。

 私のおすすめは、真っすぐ前に微風で、部屋全体を循環する、24時間冷房向きの設定です。

 これなら直接体に当たらず、天井付近を通っている間にエアコンの冷気は部屋の温度に近付き、人に当たる頃には冷たく感じなくなっています。

 

 エアコンは元々クーラーと呼ばれていたように冷房専用でした。

 そのため、天井付近の暑い空気を吸い込んで下方に吹き出すために、上から空気を吸い込んで下に吹き出す構造になっています。

 

 しかし、暖房も出来る様になり、今では冷暖房できるのが普通になりました。

 暖房用という考えなら床上の冷たい空気を吸い込んで上に吹き出すのが良いと思います。 暖房ならこの設置場所になるのでしょうか。

 夏と冬で設置位置を変えることはできないので、実現は難しそうです。

 

 今のエアコン冷房は冷気を直接人の体に当てて冷やすことに重きを置いているように見えます。

 これは人の居ないときは止めて、人が居る時にだけ作動させるという、今の一般的なエアコンの使い方によるもので、冷房されずに温まった壁、天井、床からの輻射熱で熱せられる人に直接冷気を当てることで、涼しく感じられるようにしています。

 この方法は冷房されていない家に暑い屋外から帰ってきたときに冷気が気持ちいいですが、時間がたつと体に直接当たる冷気が不快になってきます。

 これがエアコンは嫌いという原因だと思います。

 

 この状況は断熱性能を高めて24時間冷房をすれば壁、天井、床の温度が下がり輻射熱が少なくなって解消されます。

 つまり、エアコンが嫌われるのはエアコンに原因があるのではなく、断熱不足の家に原因があるのです。(エアコンがかわいそう)

 

 テレビのコマーシャルでアピールしているのは、人を見つけてその方向に冷気を送る機能ばかりです。断熱不足の今の大多数の住宅に合わせています。