高気密高断熱の家の場合、うまくいけば6畳用エアコン1台で全館冷暖房出来てしまいます。一番小さい6畳用のエアコンですら、各部屋に1台ずつ設置するのはオーバースペックです。
全館空調ならば家全体を冷暖房できるし、全館空調でなくても、床下エアコン暖房や小屋裏エアコン冷房にすれば、エアコン1台で家中快適にすることが出来ます。
ただし、各部屋を最適な温度にするのは中々できないようです。
そこで適宜、部屋にエアコンを設置することになるのですが、全館空調の各部屋の温度コントロールをするには、一番小さい6畳用エアコンでも大きすぎます。
まずは全館空調なしで高気密高断熱の家の6畳間で必要なエアコンの能力を計算してみます。
6畳間の面積計算です。6畳間と言っても、押入れや床の間、クロゼットなどがある場合が多いので、8畳の広さがあると想定します。1畳は3.3㎡/2なので、8畳=3.3㎡/2×8畳=13.2㎡です。
次はこの家がある地域の真冬と真夏の想定内外温度差から必要な能力を計算します。
暖房は外気温5℃室温22℃の想定で内外温度差17℃。暖房負荷はQ値1.6×13.2㎡×内外温度差17℃=360W。
冷房は外気温32℃室温26℃の想定で内外温度差6℃。冷房負荷はQ値1.6×13.2㎡×内外温度差6℃=130W。部屋には人間が2人ぐらいいることを想定して、一人100Wとすると200W、合計330Wぐらいのエアコンがあればいいことになります。
6畳用エアコンの暖房定格能力が2.5KWなので7分の1ぐらい、冷房定格能力が2.2KWなので6分の1ぐらいで行けそうです。
つまり6地域の高気密高断熱の家なら全館空調なしでも1畳用ぐらいのエアコンであれば十分なことが分かります。
全館空調の家の部屋の温度調節なら1畳用よりも小さいエアコンでもいけます。
6畳間だけでなく8畳間もあるので余裕を見ても2畳用であれば十分です。
今のエアコンは同一タイプで6畳から30畳ぐらいまで対応できるように設計されているので、あの大きさになっているのだと思います。
最大2畳対応のエアコンにしてしまえば、大幅にコンパクトな製品や全く違った形のエアコンが出来るのではないでしょうか。
そうなれば、おしゃれな部屋の邪魔物にならずに済むかもしれません。
高気密高断熱や全館空調の家はあまり普及していないので、今のところマーケットとしては小さいので、この様なエアコンを作るメーカーはないかもしれません。
しかし、今後は高断熱高気密の家が増えてくるでしょうから、先行開発する価値はあるように思います。
この様なエアコンが発売されれば、高気密高断熱の家の普及にも役立つような気がします。
革新的な製品を送り出しているアイリスオオヤマ辺りが作ってくれないでしょうか。
この様に全館空調の家の各部屋の温度調節や高気密高断熱の家の各部屋に設置するエアコンとしては、最大2畳用のエアコンで十分なことが分かりました。