ウマが合わない医師を変えてくれっ [11/07/06] | 患医ねっとブログ

ウマが合わない医師を変えてくれっ [11/07/06]

ウマが合わない医師を変えてくれっ

鈴木信行

前回は、医療者と対話について書きました。
でも、相手は人間。こちらも人間。どうしても、人間として合わないということもあります。
その場合、どうしましょうか?
そこで、今日のテーマは「ウマが合わない医師を変えてくれっ」です。

医師との関わり方には、患者一人ひとりの考え方があって良いと思います。
医師は単なる職人で良い。手術や治療のときだけ能力を発揮してくれれば、人間性などは求めない、という方もいるでしょう。
しかし、長期に渡る治療の場合は、少し辛いかもしれません。
ウマが合わないということは、満足に対話ができないということでしょう。
こちらの体調の変化も伝えられませんし、希望も言えないのでは?
それならば、医師との関係を見直し、主治医を変えた方がよいように私は思います。

でも、いきなり「あなたとはウマが合わないので他の医師に・・・」なんて言えるわけありませんよね。

定期的に外来にいく病院で、同じ科に複数の医師がいる場合は、たいてい曜日によって担当医師が決まっていると思います。ですので、予約する曜日を変えてしまえばいいです。
ウマの合わない医師に何もいう必要はありません。曜日を変えたことで何かを聞かれたら、「ちょっと家の用事があって・・・」なんて感じでごまかせばいい話。

しかし、複数の医師がいない病院、あるいは個人病院やクリニックの場合は難しいですね。
転院を考えなくてはなりません。転院すれば検査はやり直し、病状の把握もできていませんし、そしてなにより今よりましな医師と出会えるかも不確実です。
そこまでウマが合わないことに我慢できないかは、もう一度考えてみましょう。

・・・それでも、医師を変えたいのですね?
まずは、転院先になる病院を選びましょう。
病院選びについては第6回 に書きましたので、それを参考にしてください。
次に、転院先にもっていくいままでのデータをできるだけそろえましょう。
一番狙うのは、紹介状です。
でも、多分、医師には転院のことは言いづらいですよね? なんせ対話ができないのですから。
他のスタッフはいかがでしょうか? 看護師やソーシャルワーカーなどでもいいのです。
医師は、診察室でなにか嫌み的なことを言うかもしれませんが、それに反発して「あんたが悪い」と言っても何も始まりません。こちらが大人になって聞き流せばいいのです。
転院の理由を聞かれたら、交通の便とか、曜日の都合とか、家族がそっちにいるからなど、適当に(笑)。

もし、他のスタッフにも言いづらい場合・・・。自分でやるしかありません。まずはデータをできるだけ整理しましょう。以前、紹介した健康手帳 が役立つときが来ました。
その内容を確認。
できるだけ漏れはないように。その際、今の病院名、連絡先、主治医名なども書き込んでおくと、転院先の病院で助かるときがあります(医師間で勝手に連絡を取り合ってくれる場合もある)。

このやり方のメリットもあります。
今の病院には転院することはわかりませんから、転院先でうまくいかない場合、すぐになら戻ってくることも可能です。

そうそう。
私は転院を勧めているわけではありません。
転院は、病歴が切れること、全て再検査が必要になること、転院先の医師も経緯がわからず困惑することなど、とてもリスクが高いのです。
しかし、今回は、どうしても医師とウマが合わないという場合を想定した話です。

ちなみに、私自身は自分の意思で転院した経験はありません。
他の方に転院を勧めたときは幾度かあります。

その幾度かというのは、いずれも二分脊椎の世界で名が通っているある医師とウマが合わないという事例。
でも、この医師は、マスコミへの露出も多いし、肩書きもたくさん。実際、二分脊椎の受診患者も少なくないので、どうしてもこの医師にかかりたがる患者さんがいる。
しかし、いずれは医師不信になり、私の所へ相談。そして転院。
ここで実名を公表したいぐらいです(笑)。

一方、本当に主治医との相性が悪いのかと思わされる実例が先日みのりCafeにて。
事前の連絡もなく私のカフェに来て、話がしたいという、がんの闘病が終わって間もない方。一応、フォローとしてがんの再発の有無を確認するために、定期的にレントゲンやCTの検査を指示されているとのこと。検査のスパンなどを聞いても私のときとほぼ同じで、医師の方針に問題は感じませんでした。
しかし、この方は「こんなに放射能問題がとりたざさされているのに、レントゲンやCTを指示するんですよ。被爆しますよね! こんな医者はイヤなんです」。
えっ? う~ん~、それってなんか違いません・・・?

さて、次回は、「患者の声は医療に活きる!」の第1期が大盛況のうちに終わりましたので、その報告をします。
第2期は、受講者を募集中。このブログを書いている現時点ではあと2,3席のご用意が可能です。もし、ご希望があればお申し込みくださいませ。
(詳細は、http://ameblo.jp/kanjya-dojo/entry-10941898120.html  )