週5、1日に何度もLINEのやり取りを、何年も続けてきた友人。

高校の同級生で卒業してから実際に会ったのは数回だが、それでも誕生日とクリスマスにはなぜか(笑)プレゼント交換をしている。

タイプで言えば真反対で、むしろ相性としては合わないのかもしれない。相性と好き嫌いは別だと思うので、自分とは何もかも違う彼女が好きだし、そういう彼女に助けられ影響を受けてきた。色んな世界を教えて貰ってきた。

元々親しい友人は片手で足りるほどしかいないので、その中でスピリチュアルな話をできる人となると彼女を含めて2人…くらいだろうか。


特にコロナになってから、彼女の信頼、信用する情報をたくさん共有するようになった。目から鱗の情報だったし、「私はどれだけ愚かだったのか?」と思った。

知りたい情報だけを取りに行きがちになるのも知っているが、それにしても足元がグラグラと揺らぐような情報ばかりだった。




コロナが大分落ち着いた頃、私はがんになった。

彼女と共有していた情報では、がんに対する考え方やその治療について、一般に広がっているそれとはかなり違うものだった。

特に現代医療、西洋医療におけるがん治療ついて、かなり否定的だったのだ。私はその情報を真実だと今でも思う一方、それだけではない肯定的な側面もあるだろうと思った。だから、抗がん剤治療を受けた。マイナスな側面も受け入れて。



抗がん剤治療を受けると決めた私に何も言わなかったが、きっと彼女だったら抗がん剤治療はしないだろうと思う。

がんになってから、随分と自分の価値観は変わったようだ。今まで惹かれていたものに距離ができたし、いい意味で本来のどっちつかずの考え方に戻ったように思う。

全てにおいて曖昧、なんとなく、「決めない」自分(笑)



彼女とのLINEは、お互いに核心には触れないような内容になった。今まで共有してきた情報に対して、私は肯定的で受容的な返事をしなくなったし、2人でよく観ていたYouTubeも私は観なくなったからだ。

要するに共通の会話がなくなったということで、内容も薄く、頻度も少なくなった。



彼女は好きな山の話もしなくなったし、緊急時の連絡先も頼まれなくなった。お互いに読んでいる本の話もしていたものだが、最近はそれもなくなった。

私の好きな将棋(藤井八冠)の話も、当然しない。元々彼女は自分が興味のない「相手の好きなもの」について、お付き合いで話をするようなタイプではない。そこがまた私の好きなところだ。

結果、天気と体調の話くらいしかない(笑)




これから、彼女との関係はどうなるのだろう。忙しい彼女の時間を盗まないようにするが、没交渉にすることは私からはないと思う。


「これ、彼女に似合いそう」

「これ、彼女の体に良さそう」


と、次のプレゼントを無自覚的に選んでいる自分がいる。






治療が終わって、またお酒を飲むようになった。夫のウィスキーをくすねて、ティーチャーズをシングルで。夕食を食べ終わる頃には、氷がゆっくりと溶けている。